絵画 / 書物
 
千手観音菩薩坐像

 仏殿の本尊千手観音は、鎌倉末期の京仏師雲渓作と云われ時代の面影が残されている。
 ふくよかな慈悲を満面に湛えた御尊顔を拝しますと自然に手を会せたくなるのである。
 昔から長門国における観音信仰の中心であり、又中国観音霊場札所の本尊として庶民の信仰を長い年月支えて来たのも千手観音の仏徳と申すべきである。

韋駄天立像

 庫裡玄関入口に安置されている。作者不明で鎌倉末ー南北朝の制作か。我国における数少ない大きな木造の遺品として貴重なものである。
 元来バラモン教の神でのち仏教の伽藍の守護神火天として護法鎮火の仏である。厨房を司り衆僧の食物を調達し、湯火を司るかまどの神でもある。俗に足の早いことで知られ韋駄天走り云う。

地蔵菩薩半跏像

 功山寺入り口の総門をくぐって山門に向う左側の地蔵堂に安置してある。俗に延命地蔵菩薩と稱し平安時代の秀作で座高135cmの大像で、珍しい踏下げ足のお姿である。
ふっくらとした体形や温顔は、親しみ易さを感じさせ、身近な仏として悩みや願いを叶え円満で豊かな抱擁力を分ち与える庶民の仏様として信者も多い。