いよいよ秋冷を感ずる頃となりましたが、皆様方ますますご清栄のことと拝察いたします。功山寺では昨年度とは打って変って、猪が出なくなり、庭なども荒らされずほっとしているところです。この機会に功山寺の近況をご報告させて頂きます。
一、 三月以降今日までの近況報告
三月十九日には恒例の積善講施食会を厳修し、六十名の方々のお参りと、更に多くの方々のお申し込み(施食会および塔婆回向)を頂きまして、盛会裡に終えることができました。
また三月二十六日と四月二日の十九時から功山寺境内において「Night in 功山寺」すなわち、高杉晋作の功山寺挙兵を中心にした幕末志士達の音楽劇が行われ、超満員の観客が来山されました。
五月十七日には、恒例の観音大祭が行われ、三十名参加者全員で国宝仏殿で『観音経』を読誦した後、好天にも恵まれましたので、久方ぶりに観山観音を巡拝することができました。
八月お盆の棚経では、約百五十軒余りの檀信徒の皆様方のご自宅に参らせていただき、大変お世話になり、誠に有り難うございました。おかげさまで、例年のように西は福岡市から東は光市にいたるまでの、お盆の棚経も無事終えることができました。なおまたお盆並びにお彼岸に際しましては、多方面の皆様方からのお供え物やご厚志を頂きまことに有り難うございました。同期間中にご先祖供養の読経を厳修致しましたので、どうぞご安心下さい。
八月二十四日夕方には、激しい雷雨の最中、地蔵盆の法要を執り行うことができました。地蔵盆のために供物と浄財を喜捨して戴いた松浦様他の皆様方各位には深甚の謝意を表させて頂きます。
二、 護持会活動並びに様々な支援活動
護持会活動はますます活発に三部会それぞれ独自の歩みをされると同時に、各部会共同して、功山寺の護持支援活動をして頂いております。
毎朝本堂周囲の縁側の拭き掃除、手水鉢の清掃水替え、観山観音の巡拝道の清掃整備、仏殿の供花清掃水替え、お地蔵様並びに地蔵堂の供花清掃水替えなどをして頂いている有志の方々の心温まるご助力のおかげで、今日の功山寺が維持されております。ひたすら感謝あるのみです。
三、 下関指定文化財功山寺山門等大改修実行委員会の設立
功山寺参道から見上げると、その堂々たる威容を誇る山門は、調査の結果、強い地盤沈下が見られ、全体がねじれ傾き、また内部の梁や木組みも破損、災害時には倒壊の危険性があることが判明しました。山門の素晴らしい姿を維持し続けるには、根本的な大改修を速やかに遂行しなければなりませんが、その為には膨大な費用が必要です。しかも申請する予定の下関市の文化財補助金だけでは甚だしく不足するのは明らかなので、大改修事業実現のためには大規模な募金活動が不可欠です。まずこの事業に賛同して頂いた下関市内外の著名人の方々に発起人となって頂き、募金活動の母体としての「下関市指定文化財功山寺山門等大改修事業実行委員会」(川上康男委員長)が、平成二十三年九月一日、功山寺本堂において設立されました。この募金活動が成功する為には、もちろん下関市内外の可能な限り多くの方々(個人並びに企業)のご協力が必要ですが、とりわけ功山寺に対する格別のご法愛を頂いております檀信徒各位・護持会会員・墓地門徒の皆様方各位のご協力を心よりお願い申し上げます(まもなく正式の書類をお送りします)。
四、 功山寺開山金岡用兼大和尚五百回忌
伽藍が荒れ果てていた臨済宗長福寺を曹洞宗功山寺(当初は笑山寺と称す)と改称し復興したのは長府藩初代藩主毛利秀元公と功山寺中興三世の三庭龍達和尚ですが、和尚は自らの師匠の師匠である金岡用兼(きんこうようけん)を勧請開山(かんじょうかいさん)(名義上の開山)と致しました。平成二十六(二〇一四)年十一月十五日は功山寺初代住職金岡用兼大和尚の五百回忌の命日に当たり、その法要も不可欠です。この頃までには右記の事業を完成させたいと念じております。なお金岡用兼師は、永平寺の伽藍復興を成し遂げ、道元禅師の主著『正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)』の洞雲寺本を編集された宗門の英傑であります。
(東北大震災の被災者の皆様のご冥福とご回復を祈りつつ、
平成二十三年十月吉日 有福孝岳記)
これを記念して山門と書院の大改修を遂行したいと考えています。皆様ご協力のほどよろしくお願いします。 功山寺の前身、一三二〇年に仏殿が創立された長福寺が、大内義長没後興廃したままになっていたのを、一六〇二年に毛利秀元公が初代長府藩主として入府して以来、長福寺改め笑山寺として再興しましたが、一六五〇年秀元公没後、三代目綱元公が寺号を功山寺と改称して今日に至っています。功山寺三世の三庭龍達さんていりゅうたつは、長福寺を再興するときに、自分の師匠(天翁玄播てんのうげんば)の師匠である金岡用兼きんこうようけんを勧請かんじょう開山として拝請しました。金岡用兼は曹洞宗にとって『正法眼蔵』を書写したり、永平寺を修復したりした偉大な足跡を残しております。平成二十六(二〇一四)年は金岡用兼大和尚の五百回大遠忌の年に当たります。これを記念して山門と書院の大改修を遂行したいと考えています。皆様ご協力のほどよろしくお願いします。
(平成二十三年十月吉日、功山寺住職・有福孝岳記)
護持会活動の現状
皆様方の力強いご支援のもとに、昨年来より、環境整備部会、文化事業部会、婦人部会という三つの専門部会が設立され、各部会共に、熱心に活動して頂いております。
環境整備部会では、いろいろな看板・標識の整備、池のモーターの整備、猪問題の諸対策等々多方面にわたって多大なご尽力を頂いております。
文化事業部会では、来る十一月二十三日(水)には「坐禅・写経会」が計画されております。
婦人部会では十月二十八日(金)の午前九時から東側斜面の草取りを行います。また十二月二日には、向津具の向徳寺に参拝し、住職の法話を拝聴し、精進料理を堪能されたとのことです。
なおラジオ体操の皆様方にも毎朝本堂周囲の縁の清掃をして頂いております。
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